放課後、僕は璃依と夕日を見ていた。

最初よりも2人が立つ距離は近い。


「何回見ても綺麗だね。」
「うん…。」

「ねぇ、璃依。」
「なぁに??」
「今日、夜里に言われたんだ。」
「夜里ちゃんに??」
「うん、ある相談をしてたら、色んな種類の想いがあるんだって言われたんだ。幸せな想いや悲しい想い、ドキドキする想い。違う想いだけど、どれも同じ想いなんだって。」
「私も分かる気がするな。優利くんがどんな相談をしたのか分からないけど。」
璃依が笑って見せる。


「それでね、俺は思ったんだ。そばにいれるだけで幸せ、会えなくて悲しい、そんな想いだけでもいいかなって……。」

「え??それってどういう……」

「俺は璃依が好きみたいなんだ。ドキドキはしないけど、笑顔が見れて嬉しかったり、会えなくて寂しかったり……。そんな想いが璃依に対して沢山あるんだ。だから、俺は幸せな想いだけだけど、いつかは璃依に対してドキドキしたり、悲しくなったりしたい。」

そのとき、璃依の目に一粒の涙が零れた。

「璃依??……ごめん。いきなり。嫌な思いをさせたね……。」

「違うのっ!!!嬉しいの。私、優利くんと同じ気持ちなの。」

「璃依………。」

「私も優利くんともっとドキドキしたいっ、幸せって思いたいっ、笑顔になりたいっ……。」

「そしてっ……、もっと優利くんと………!!?」


僕は璃依の言葉を塞ぐように、そっとキスをした。

「言わなくてもいいよ…。俺と璃依は同じ気持ちだから、言わなくても璃依の気持ちは分かるから………。不意にしてごめん。びっくりしたでしょ??」


「ううん、大丈夫。私、優利くんと出会って良かった。優利くん、私はあなたが好きです。」
「俺も……」

僕はもう一度キスをした。

二度目のキスは、どこか
しょっぱくて、
それでいて甘い。