僕は夕日を見に屋上に行っていた。
璃依も同じ理由で見に来ていたので、よく会っていた。
だから、最近よく会話するようになった。

そんなある日、僕は璃依の「怯え」を知ってしまった。

放課後、いつものように屋上で話てから帰ろうとしたとき。
使われていない教室の前を通った。
その時。

「……ガタタツ…っ嫌!!!」
「?」
僕は声がした方の教室を見た。
「……っ!!??璃依!!??」
ガララ…!!!!
「おい!!テメェ!!何してる!!!??」
「!?…あ、いや、ただ、澤田さんがいたから声を……」
「怯えてんのに信じられるか!!!!」
殴ろうとしたとき、
「ゆ優利くんっ!やめて!!!その人の言うとおりだから!!!ごめんね!!大げさになって……」
目の前の男子に璃依は謝った。
「いや…こっちこそごめんな。じゃ、俺帰るゎ」
そういって教室をでていった。
「優利くん…ごめんね。ありがとう。」
「あ、いや別に。こっちこそごめん。」
「でも、璃依の怯え方は……。なんかあったのか??」
「っ!!ち、ちょっとね。」
「おい、ちょっとじゃねぇだろ。話してくれないか???」
「本当に大丈夫だからっ…!!心配してくれてありがとう。じゃ、じゃあね」
「っおい!!璃依!!!!」
僕を無視して璃依は去っていった。
僕も教室から出て、帰っていった。

夜、携帯に着信が…。
璃依からのメールだ。
《今日はありがとう!!》
それだけだった。
僕は、《いや、いいよ。別に。今度からは気をつけろよ。》と送った。
だけど、璃依からの返事は帰ってこなかった。