そこに恍がやってきた。
「丁度よかった。恍、話を聞いてくれ。」
「あ…あぁ。」
「俺は今、美羽に告白した。」
恍の眉がぴくっと動いた。
「もちろん、これは俺へのケジメだ。ちゃんと美羽は俺を振った。」
「俺は恍と同じ時期に美羽を好きになった。けど、恍の方が上だった。恍が羨ましかったよ。」
「優利…………。今まですまなかった。優利に嫌な思いを……。」
「いいんだ。」
その後、少しだけ喋って、恍達は帰っていった。
僕は、美羽への最後の涙を流した。

それは悲しみではなく、すっきりしていた。

「優利、頑張ったな。」
一樹と夜里にそう言われ、僕は夕日と共に、
静かに涙を流しつづけた。