遥か彼方の空の向こうに

「実はな…お前に話があるんだ。」
「知ってるから、早く話せよ…」
僕の喉が鳴る。
「うん。実は、美羽なんだけどな………」
やばい。
僕の脳が拒絶している。
「付き合う事にした!!!」

僕の頭が真っ白になった。

僕の心が崩れてく。

「そ…そうか、おめでとう!!よかったな!んじゃあ、俺は用事があるから、またな!!」
僕はその場を早く立ち去りたかった。

「お…おぃ、まてよ!!!」
恍…
ごめん。
今、心の整理ができないんだ…

あれから何度も恍から着信があった。
でも僕は出なかった。


次の日、僕は仮病を使って学校を休んだ。


学校に行って、

君が隣で、

君はあいつを思って、

君はあいつと帰って、

君はあいつと一緒に、

笑って……



僕の頬は濡れていた。
「ははっ……。泣き虫だ…な…、俺……。」
僕は、携帯の履歴を見た。
恍からの電話が3回に……
えっ!!??
「一樹…。」
一樹からの電話が一回あった。
しかも、10分前に。
僕は嬉しかった。
メールは、恍から2通。
《お〜い!!いきなり帰るから、びっくりしたよ!!どうしたぁ〜??》

《お〜い!!返事しろー!!!》

さらに、一樹から、1通。
《風邪で休んだのか??大丈夫かぁ??てか、電話にでねぇって、何かあったのか??》

僕は一樹のメールを見て、安堵からか、また涙が零れた。

数十分たってから、僕が返信ボタンを押そうとしたとき、一樹からメールが来た。
《よし!!分かった!!今から強制で優利ん家訪問するゎ☆》
えぇ!!!!????
まじで!!??
僕は急いで返事を書いたのに、

ピーンポーン♪
窓を見ると、一樹と夜里の姿が。
運良く部屋は片付いていて、親もちょうど買い物だった。
僕は玄関に急いで行き、ドアを開けた。