「でもさ〜、あれだけ泣ける優利すげーよなー…。」ポツリと一樹はつぶやいた。
「むっ、それはどういう意味だよ!!!」
「あ、聞こえてた??ごめんごめん!!」
「やっぱ、中途半端じゃないんだなーって、思って!!絶対に諦めちゃだめだかんな!!諦めたらきっと後悔する。」
そう言った一樹はなぜか輝いていた。
「うん。ありがとな!!」僕たちは屋上を後にした。
一樹は途中で「ごめん!!夜里んとこ待たしてるからまた後でな!!」と言い残し、去って行った。
僕はしぶしぶクラスに向かった。
すると目の前に美羽がいた。
僕は、気付かれないように立ち去ろうとしたが、遅くて、
「あ!!天沢君!!おはよう!!一限目サボったでしょ!!!??」
「ごめんごめん!だってかったりぃんだもん!」僕は嘘をついた。
「も〜次やったらデコピンしてやるぅ!」
そう言って僕の背中を叩く。
ドキッ
美羽が触れた所に熱がこもる。
「デコピンしたらやり返してやる!!!」
そう言って僕は美羽のおでこを軽く叩く。
「きゃぁ〜!」
はしゃぐ美羽。
僕は幸せだった。
君の笑顔が見られるなら。
なのに、
君の顔が急に幸せな顔になった。
理由は一つ。
目線の先はあいつだ。
恍。