授業中も全然頭に入らなかった。
そのとき、マナーモードにしていた携帯がかすかに震えた。
振動が弱い僕の携帯は、震えても、自分にしか分からないぐらいだったから、先生にバレなくて良かった。
メールは恍からだ。
《あとで話あるからいいか??屋上で待ってる。》
《分かった。》
僕は、恍に一言だけ送った。

授業が終わって、約束の屋上に向かった。
屋上は、普段立ち入り禁止だが、最近鍵が壊れているらしく、簡単に入ることができた。
そこには、もう恍が風を浴びて待っていた。
「待たせたな。んで、話ってなんだ??」
聞きながらも僕は、大体の話は分かっていた。
「あのさ…、実は、協力してくれないか??」
ドキッ。
僕の心臓の音が速くなる。
「え…?」
「たのむ!!このとーり!!」
ドキッ、ドキッ。
だんだん速くなってゆく僕の鼓動。
「い…、いいよ!!」
「本当か!!??うわっ!!マジ嬉しい!!やっぱ持つべきものは友達だなっ!!」
喜ぶ恍。
「あ…、んじゃーな。俺戻るわ。」
そう言って僕は屋上から出た。