インストールを開始しますか?

わたしは迷わず『はい』をタップした。
 
丸いアイコンがぐるぐる回って、インストールが完了する。
 
さっそくアプリを開くと、かわいいピエロのキャラクターが現れて、ポップな文字で話しはじめる。

『ようこそ! カスタマイズママへ! 今から君のことをおしえて!』

「なにこれ、かわいいじゃん」

「でしょ? そのピエロの質問に答えると自分ちの親っぽいアバターができあがるんだ」

 由希奈の言うとおりに、わたしはピエロの質問に答えていく。

『君がカスタマイズしたいのは、パパ? ママ?』

「えーっと、ママ」

『ママは怒る? 怒らない?』

「怒る……と」
 
わたしが質問を打ち込んでいるとなりで、奏美もわたしと同じようにしている。
 
しばらくすると、キラキラと画面が光って、『あいりちゃんママ』って名前のアバターが完成した。
 
くるくる回るアバターの周りには特徴が書かれてる。

『心配症で、子どものやることに口出しする』

『得意わざは、ガミガミ言う。ドスドス歩く』
 
わたしはぶーっと噴き出して、ゲラゲラ笑った。

「ウケる! まんまじゃん!」
 
奏美ができあがった『かなみちゃんママ』を見て、口をひくひくさせた。

「待って、わたし、すでにこの画面をカチ割りたいわ」

『かなみちゃんママ』の周りには。

『子どもの成績にしか興味がない』

『子どもの成績が下がると、イライラ。夜遅くまで勉強させる』

「わー、奏美の方もリアルだね」
 
わたしは思わずつぶやいた。