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「愛梨(あいり)! 時間よ。起きなさい!」
 
遠くからわたしを呼ぶ声がする。
 
わたしは、うーんとうなって寝返りをうった。
 
うっすらと目を開くと、部屋が明るい。
 
朝だ。
 
でもあとちょっとだけ……
 
そう思って、私がまた目を閉じたとき。
「愛梨‼︎」
 
部屋のドアがバンッと開いてママが部屋に入ってきた。
 
わたしの布団をガバッと開ける。

「遅刻するよ!」
 
わたしはイラッとして起きあがる。

『勝手に入ってこないでよ!』と言いかけて、口を閉じた。

 ——起きなかったわたしが悪いんだし。
 
黙ってベッドを下りた。

「朝ごはんあるから、ちゃんと食べていきなさいよ」
 
ママはそう言って部屋を出ていった。
 
この時間じゃ、正直言ってそれはきびしい。
 
髪をセットしてメイクもしなきゃいけないのに。
 
でもわたしは、一階へ下りてってママに言われた通りダイニングテーブルの席についた。
 
向かいに座るママがにっこりと笑う。

「おはよう、愛梨えらいね」
 
となりでパパも朝ごはんを食べている。
 
ちょっとめんどくさくてうっとおしいけど、これが今のわたしの一日のはじまりなんだ。
 
わたしがスマホをたたき割った日。
 
庭に入ってきていたのはパパだった。
 
パパがママに言ってくれて、わたしは家の中に入れたってわけ。