すっかり変わってしまった由希奈も。
この状況も。
あのアプリの存在も。
とにかくなにもかもがこわくて、もうここにいたくなかった。
「い、行こ、奏美」
そう声をかけてくるりと由希奈に背を向けて、校舎に向かって走り出した。
由希奈はその場でなにかをさけんでるみたいだけど、ふり返ることはできなかった。
走って走って、校舎の中に入る。
わたしと同じく逃げ出してきた奏美と、廊下の階段の陰に隠れて息を整える。
心臓がバクバクと痛いくらいになっている。
由希奈が追いかけてきたらって思うと、こわくてたまらなかった。
「ねえ、奏美、由希奈、こっちに来る?」
「……大丈夫、帰ったみたい。だけどこわいよ、愛梨。どうしよう。わたしたちお金返さなきゃいけない?」
「お、お金なんて返す必要ないよ。無視すればいいんだよ」
わたしはふるえる唇で言い切った。
べつにわたしたちが、由希奈のママにお金をくれるように命令してってって言ったわけじゃないもん。
「由希奈が勝手にやったことじゃん。お金だって、転校すればなんとかなるんでしょ」
「だけどママたちはどうなるの? 由希奈のママもおかしくなっちゃったって言ってたよね。ねぇ、ママはもう戻らないのかな?」
そう言って奏美は、ポケットからスマホを取り出して画面をタップした。
「わたし、このアプリアンインストールする」
そう言って、カスタマイズ・ママのアイコンを長押しした。
この状況も。
あのアプリの存在も。
とにかくなにもかもがこわくて、もうここにいたくなかった。
「い、行こ、奏美」
そう声をかけてくるりと由希奈に背を向けて、校舎に向かって走り出した。
由希奈はその場でなにかをさけんでるみたいだけど、ふり返ることはできなかった。
走って走って、校舎の中に入る。
わたしと同じく逃げ出してきた奏美と、廊下の階段の陰に隠れて息を整える。
心臓がバクバクと痛いくらいになっている。
由希奈が追いかけてきたらって思うと、こわくてたまらなかった。
「ねえ、奏美、由希奈、こっちに来る?」
「……大丈夫、帰ったみたい。だけどこわいよ、愛梨。どうしよう。わたしたちお金返さなきゃいけない?」
「お、お金なんて返す必要ないよ。無視すればいいんだよ」
わたしはふるえる唇で言い切った。
べつにわたしたちが、由希奈のママにお金をくれるように命令してってって言ったわけじゃないもん。
「由希奈が勝手にやったことじゃん。お金だって、転校すればなんとかなるんでしょ」
「だけどママたちはどうなるの? 由希奈のママもおかしくなっちゃったって言ってたよね。ねぇ、ママはもう戻らないのかな?」
そう言って奏美は、ポケットからスマホを取り出して画面をタップした。
「わたし、このアプリアンインストールする」
そう言って、カスタマイズ・ママのアイコンを長押しした。


