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「ねえ、由希奈!」
 
窓から由希奈を見かけたわたしたちが、あわてて教室を出て追いついたのは、校門を出たところだった。

「由希奈、どうしたの? 休みじゃなかったの?」

「ねえ、どうしてメッセージ返してくれないの?」
 
わたしたちが問いかけると、由希奈はゆっくりとふり返った。
 
その表情に、わたしの背筋がぞくりとする。
 
無表情で顔色は真っ青な、こんな由希奈見たことがない。
 
冷たい風がビューって吹いて、街路樹がザザザと鳴った。

「由希奈……?」

「わたし、もうここへは来ないから」
 
小さな声で由希奈が言った。
 
意味がわからなくてわたしは聞き返す。

「え? どういうこと?」

「だから、転校するの。おばあちゃん家で住むことになったから。今日は荷物を先生から受け取りにきただけ」

 
突然の話にわたしと奏美が顔を見合わせると、由希奈がわたしと奏美の腕をガシッとつかむ。

「ねぇ! あのアプリおかしいよ‼︎」
 
いきなり大きな声を出して、目を見開いてわたしたちを見た。

「家、ママがケチなんじゃなくて本当にお金がなかったんだって! それなのに、アプリで命令されたからママはわたしにお金をわたし続けてた。貯金もなくなって家の家賃も電気代もなにもかも払えなくなって、それでおばあちゃん家に行くしかなくなったんだよ‼︎ 今だってママは家で泣いてる。『お金渡せなくてごめんね』って。仕事にも行けなくなったんだ」
 
由希奈につかまれたわたしの手がふるえだす。