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由希奈な話が本当なら……笑ってなんていられない。

「わたし、今毎日遊びに行くって言って図書館で勉強してるんだよ。これがずっと続くの? もうママは元に戻らないの?」
 
問いかけられても、わからなくてわたしは首をブンブンふる。

「わ、わからないよ……」
 
そんな強力な効果があるなんて、知らなかったもん。
 
そんなわたしをジッと見て、奏美がささやくように小さな声をだした。

「ねえ、由希奈はどうして学校に来ないのかな?」
 
その問いかけにわたしはまたドキリとする。
 
奏美のママがくるったみたいになってるなら、由希奈んちのママだって同じことになってるかもしれないってこと?
 
由希奈がママに命令したのは……。

「か、風邪だよ! きっと。い、インフルかなんかじゃない? 明日くらいにケロッとして来るよ」
 
こわい想像から目をそらして、わたしは答える。
 
そうであってほしいっていう願望が半分以上だ。

「愛梨はいいよね、たいしたこと命令してないし。わたしと由希奈のママがどうなっても関係ないもんね」
 
奏美がムッとしてそう言った。

「そうじゃないけど……」
 
と、わたしが言いかけたその時。

「見て、あれ!」
 
奏美がそう言って校庭を指さした。
 
夕日の中を校門に向かって歩いていく、その人物は。
 
由希奈だった。