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それからの一ヶ月はマジ最高だった。
 
わたしと奏美は夜遅く帰っても全然しかられない。
 
だから遊び放題!
 
由希奈が毎日ママからもらってくる一万円で、放課後はゲームをしたりパフェを食べたりして自由をまんきつしたんだ。
 
それも最高なんだけど。
 
わたしが一番気に入ってるのは、あれだけガミガミ言っていたママをわたしの思い通りにできていることだった。

『今日も夜遅くまで遊んできてね』
 
朝、出て行くときにそう言うママの手がちょっとだけふるえてるのが、おかしくてたまらない。
 
本心とは逆のことを言わされてるって証拠だよね。
 
かわいそうなんて思わない。
 
今までやられたお返しだよ。
 
それは、由希奈と奏美も同じみたい。
 
毎日フードコートでママたちが苦しそうにしてるのを報告しあうんだ。

『一万円わたす手がブルブルふるえててさ、寒いのかよ!っとつっこみそうになったよ』

『うちは塾に欠席の連絡をしてる時が最高だった。『ししししばらくややや休ませます』って不自然すぎるって!』
 
親に命令できるって、実生活も楽になるけど、ざまぁみろって気分も味わえるんだ。
 
本当にあのアプリ最高!
 
だけど、そんな最高な日々は、ある日突然終わりをむかえたんだ。
 
きっかけは、由希奈が学校に来なくなったことだった。