インストールを開始しますか?

「何回連絡したと思ってるの⁉︎」
 
玄関にママの声がひびきわたる。
 
わたしはうんざりとしてため息をついた。
 
放課後、由希奈と奏美とモールへ行ったわたしたちは、映画を観て買い物をした。
 
クレープを食べてフードコートで話してたらいつのまにか夜七時を過ぎてた。
 
スマホには、ママからのメッセージが何件も。
 
ママからのメッセージは、通知をオフにしてたから全然気が付かなかったんだ。
 
あわてて帰ってきたら、玄関で待ちかまえてたってわけ。

「だから、気づかなかったって言ってるじゃん!」
 
イライラしてわたしは言い返した。

「気づかなかったって。だいたい、七時には帰ってくる約束でしょう⁉︎ なんのためにスマホを持ってるのよ!」
 
遅れたっていってもたった一時間なのに、こんなにガミガミ言われるなんて、やっぱり家のママは最悪だ……。
 
由希奈んちのママは、そもそも夜遅くに帰ってくるからなにも言わないし、奏美んちのママは『塾の自習室で勉強してる』って言えば、何時に帰ってもオッケーなんだって。

「今までなにしてたのよ!」

「由希奈んちでしゃべってたの!」
 
モールに行ったって言うと、お金はどうしたの⁉︎って聞かれるから、わたしは適当にウソをついた。
 
親って、ホントバカ。
 
奏美んちのママもうちのママも、すぐにだまされるんだから。

「わたし、もう寝る」

「あ、待ちなさい! 愛梨!」
 
まだガミガミ言いたりなさそうなママを無視して、わたしは靴をぬいで家に上がった。
 
あーむしゃくしゃする。
 
もしあのアプリの効果が本物だったら、あしたから命令しまくってやるんだから!