インストールを開始しますか?

ちょっとバカにしたように言われてドキンとする。
 
ハブられるのが怖くてあわててわたしは、アプリに文字を打ち込んだ。

"朝ごはん食べろって言うな"
 
それを見て由希奈が鼻で笑った。

「ま、いいんじゃない」
 
内心わたしはイラッとする。由希奈のこういうとこ好きじゃない。
 
なんでもすぐにマウントを取りたがるんだよね。

「今日の放課後はさ、ラポートモール行こうよ! この前話してた映画観よ?」
 
由希奈がテンション高く言った。
 
その映画は今中高生の間で人気の泣けるって話題のやつ。
 
みんなで観にいきたかったけど、由希奈がママから映画代をもらえなくてあきらめてたんだ。
 
今日なら一万円で観れるってこと。

「だけど、わたし今はお金ない。お小遣い日前だもん」
 
わたしが言うと、奏美も肩をすくめた。

「わたしも」

「大丈夫、今日はわたしがおごってあげるから! ポップコーンも買っちゃお」

「え! まじでまじで?」

「やった! なら行く!」

「わー、楽しみになってきた」
 
盛り上がっているところで、予鈴が鳴る。
 
わたしたちは、ため息をついてスマホをカバンにしまった。