親愛なる魔王の君へ＃外伝～魔王になったので、世界平和を目指します！～

「リル、クラル探してくるわ」

クラルが、良く無断で1人で外に出ようとすること。

外に出ようとする寸前で何とか止めていたけど、今日は止められなかった。

外は、危険がいっぱいだ。まだ7歳のクラルには、1人で出かけるには早すぎる。

リルが何かを言う前に、俺は走り出した。

早く、探さないと。早く、見つけないと。モンスターに襲われていたら？

嫌な想像をしてしまって、血の気が引く。

早く、早く、早く。

焦りと不安が、広がる。

俺の部下であるモンスターにも、探すのを手伝ってもらっている。

すぐにクラルは見つかった。モンスターの1匹が、見つけてくれた。俺は、お礼を言ってクラルのいる場所へと走る。

見慣れた姿を見つけ、俺は「クラル！」と名前を呼んだ。

クラルが、俺の方を向く。

クラルの近くには、クラルよりも小さな黒髪に紫の瞳をした男の子がいた。