しばらく図書室で過ごし、そろそろ帰ろうと図書室を後にした。

外は暗くなりかけていた。

薄暗い廊下を歩いて、靴を履き替えようとしたとき、「津島さん?」と拓也くんに声をかけられた。

「杵築くん?」と私が言うと、

「な、一人?俺とかえんね?」と拓也くんは言う。

「えっ、でも。」と私が言うと、

「ちょっと付き合って欲しいとこあって、送ってくし、ダメかな?」と上目遣いで言われた。

そんなこと言われたら、断れるはずもなく、私は頷いた。

そしたら、よしっと拓也くんはガッツポーズしていた。

私たちは歩き出した。

拓也くんと並んで歩くのはちょっと緊張しちゃう。

どこに行くのかと思ったら、私もよく行ってる、私立図書館だった。

「杵築くん?ここ、図書館よね?私もよく来るんだけど」と私が言うと、

照れたように、話してくれた。

借りたい本があるんだと。

拓也くんが選んだのは、古い一冊の古書だった。

拓也くんはその本についての魅力を語った後、

「俺ね、夢があってね」と拓也くんは夢の話しをしてくれた。

「津島さんは、夢あるの?」と聞かれた。

「私は小説書きたいかなって思ってる。いつか、自分の作品作りたいなって」と私が言うと

「良いね。お互い夢かなうと良いね」と拓也くんは笑ってくれた。

「ね、私、杵築くんのこと名前で呼んで良い?」と私が言うと、

「もちろんだよ。俺も名前で呼ぶね」と拓也くんは返してくれた。

そして私たちは顔を見合わせて笑った。

「な、葵?」と照れながら言う拓也くんはなんか可愛かった。

「LINEのID教えてくんね?」と拓也くんに言われて、私たちは交換した

「改めてよろしくね!」と私は笑った。

その後、私は拓也くんに送って貰って家に帰った。

晩御飯を食べながら、今日の出来事を話しして。

そして、私は自分の部屋に戻ると、拓也くんとLINEをたくさんした。

楽しくて、中々終われなくて、気づいたら寝落ちしてた。