「なっ、何言ってんのよ。高校生のくせに……」
再び再開する手。
水を流す音がやけに大きく聞こえる。
「高校生だから何だよ。早く生まれた方がそんなに偉いのか?」
すぐそばで聞こえた声。
背後から回された腕。
「強がるなよ。俺が気づいてないとでも?」
その言葉にハッとした。
後ろを振り向き、蓮を見つめる。
「あんたの笑顔は無理矢理だ。そんなあんたを……那美を、俺は見たくないっ」
悲痛に叫ぶ蓮。
どうして…?
どうして、そんなにあたしのことを見てくれているの?
抑えていた感情が、涙となって外へと溢れ出す。
その瞬間、再び蓮に抱きしめられた。
強く……そして優しく…-

