春の訪れを告げる暖かな風が校庭を吹き抜ける中、

佐々木美月は学校の門をくぐった。

制服のスカートがひらりと舞い、

新しい学期への期待に胸を躍らせていた。

彼女の顔には、

友達に再会できる喜びと、

新しい出会いへのわくわくが同居している。


「美月ちゃん、こっちよ!」


遠くから聞こえる声に顔を上げると、

彼女の親友である小林ユカが手を振っていた。

ユカの隣には、

他のクラスメイトたちもいて、

皆が一様に笑顔で新学期のスタートを迎えていた。



美月は友達のもとへ急ぎ足で向かい、

一緒に教室へと歩き始めた。


「久しぶり!春休みはどうだった?」


と質問を投げかけながら、

彼女は友達との会話を楽しんだ。

教室に向かう廊下の窓からは、

桜の木が満開の花を咲かせているのが見え、

季節の移り変わりを感じさせた。



クラスに到着すると、

美月は自分の席に向かい、

教科書を机の上に広げた。

まもなくして担任の先生が入ってきて、

クラスに静けさが訪れた。


「みんな、新しい学期が始まったね。

今年も一緒に頑張ろう。

それと、今日は特別なお知らせがあるよ。

新しい転校生を迎えることになった。

入ってきてください。」



ドアが開き、

一人の少年が恥ずかしそうに教室に入ってきた。

彼の名は長谷川拓海。

クールで落ち着いた雰囲気を持つ彼は、

一目でクラスメイトたちの興味を引いた。

美月も例外ではなく、

彼の存在に心を惹かれながら、

新しい学期がどんな展開を見せるのか、

という期待に胸を膨らませた。



この日の放課後、

美月はユカと一緒に図書館へと向かった。

そこで偶然、

拓海と再び顔を合わせることになる。

美月にとってこれは、

ただの新学期の始まり以上の、

何か新しい始まりの予感がする瞬間だった。