「嫌だ!行かないでぇ!お願い......!」
嘘だと思った、嘘だと思いたかった
でもそれは変わることの無い事実で、
あまりに残酷な結果だった

「早く帰ってきてね!」
そう言う私に彼は言葉を返す
「あぁ、もちろんだよ」
そう言って、彼は私の頬にキスをする
その事がとても幸せで、
また、彼との結婚がもうすぐだということを感じられて嬉しかった
この幸せがずっと続くことを想っていた

そんなあるとき、思ってもみないことが起きてしまった
それは、その報せはとても酷く信じれもしないことだった
とても、信じたくは無かった彼の訃報だった

流行病だ
あまりにも呆気なかった
あんなにも健康だった彼が
一度も病に罹ったことなど無かった彼が
そんなにも簡単に亡くなってしまった

あぁ、どうしてなのだろう
ペンダントにいる彼はこんなにも美しいのに
今にでも動き出しそうなほどあたたかいのに
彼はもうこの世にはいないのに
願ってしまう
願ってしまうの
どうか、彼にもう一度逢いたいと

どうして貴方は先に行ってしまったの
私も共に連れて行って
美しくあたたかい、誰よりも愛しい
貴方の隣へ