「オレ、お前が好きみたいだ」
迷いなく、告白していた。
もう転校して去っていくという相手なのに。
当然のように佐々木は驚いていて、その大きな目でオレを見つめている。
(恥ずかしくて死にそうだ)
でも、言い出してしまったものはひっこめられない。
最後まで言うしかない。
「オレは王子様じゃないし。佐々木の好みじゃないのもわかってる。でも……」
「そうじゃないよ!」
佐々木は慌てて首を振って荷物をいったん床に置いた。
「私、青山くんには嫌われてるんだと思ってた」
「へ?」
(なんでそう思った!?)
オレが七夕祭り以来、挙動不審だったのがいけなかったみたいだ。
じっと睨んでたかと思うと、急によそよそしくなったり。
話しかけたくてもできなかったという。
(じゃあ……)
「王子様って、青山くんのことだよ。私も青山くんのこと……好きだよ」
「っ!!」
まじか!
ダラダラ過ごした夏休みを返せ!
そう過去のオレに言いにいきたい。
でも、思いが通じたことの興奮が、その悔しさも消しとばしていた。
「えっと、その……ありがとう」
こういう時、どう答えるのが正解かわからない。
それくらいオレは、恋なんてわからないんだ。
でも、佐々木は大人だった。
オレの返答に嬉しそうに微笑んでくれた。
「ううん。気持ち、伝えてくれてありがとう」
差し出された手をそっと握る。
佐々木の手は、ふわっとあたたかなマシュマロみたいだった。
「引越し先に会いに行くよ」
「うん。私も時々ここに戻ってくるね」
佐々木の手を握りしめながら、オレは今までになく素直な気持ちになっていた。
彼女が願ってくれた純粋な気持ちが、オレを変えた。
来年の七夕も佐々木と一緒に行こう。
そんで、ちゃんと願い事を書こう……そんなことを思った。
END
迷いなく、告白していた。
もう転校して去っていくという相手なのに。
当然のように佐々木は驚いていて、その大きな目でオレを見つめている。
(恥ずかしくて死にそうだ)
でも、言い出してしまったものはひっこめられない。
最後まで言うしかない。
「オレは王子様じゃないし。佐々木の好みじゃないのもわかってる。でも……」
「そうじゃないよ!」
佐々木は慌てて首を振って荷物をいったん床に置いた。
「私、青山くんには嫌われてるんだと思ってた」
「へ?」
(なんでそう思った!?)
オレが七夕祭り以来、挙動不審だったのがいけなかったみたいだ。
じっと睨んでたかと思うと、急によそよそしくなったり。
話しかけたくてもできなかったという。
(じゃあ……)
「王子様って、青山くんのことだよ。私も青山くんのこと……好きだよ」
「っ!!」
まじか!
ダラダラ過ごした夏休みを返せ!
そう過去のオレに言いにいきたい。
でも、思いが通じたことの興奮が、その悔しさも消しとばしていた。
「えっと、その……ありがとう」
こういう時、どう答えるのが正解かわからない。
それくらいオレは、恋なんてわからないんだ。
でも、佐々木は大人だった。
オレの返答に嬉しそうに微笑んでくれた。
「ううん。気持ち、伝えてくれてありがとう」
差し出された手をそっと握る。
佐々木の手は、ふわっとあたたかなマシュマロみたいだった。
「引越し先に会いに行くよ」
「うん。私も時々ここに戻ってくるね」
佐々木の手を握りしめながら、オレは今までになく素直な気持ちになっていた。
彼女が願ってくれた純粋な気持ちが、オレを変えた。
来年の七夕も佐々木と一緒に行こう。
そんで、ちゃんと願い事を書こう……そんなことを思った。
END
