正源司さん、弱虫怪人くんに恋をする。

◯同・屋上

楠木は屋上の風に吹かれながら弁当を食べている。

楠木「はあ、やっぱ皆陽キャだな」

強い風が吹いて、弁当が入っていた袋が飛んでいく。

楠木「あっ……!」

楠木、立ち上がり追いかける。
袋が正源司の足元で止まる。

楠木「あ、正源司……さん」

正源司、袋を拾い上げると楠木に近づいて凝視する。

楠木「あ、あの僕の顔に何か……」

正源司「グーパン」

楠木「へ?」

正源司「グーパンして」

楠木「グーパン? いやいやいやいや、女の子にそんなこと出来ないよ! 男にもだけど……」

正源司「怪人でしょ」

楠木「え?」

正源司「貴方、スーパーレンジャーの怪人Aでしょ」

正源司、チェキを取り出して楠木に見せる。
チェキには正源司と楠木扮する怪人が色々なキメポーズで写っている。

楠木「え、このおさげ髪とメガネ姿の女の子って……まさか」

正源司「うん、あたし」

楠木「えぇぇぇぇぇ!!!?」

楠木の驚きの咆哮が空に木霊する。