恋の雨音

次の日。

土曜日で学校がないにも関わらず、私はいつもの時間に駅へ向かっていた。

何となく、今日も彼がいる気がして。


7時30分。

彼はやはりいつもの場所にいた。


「雨音くん、おはよう」

「え、心陽!?」


彼は心底驚いた表情でこっちを向いた。


「なんで?今日学校ないよね?」

「なんか、今日も雨音くんがここにいる気がしたから」

「…そっか」


その時、彼がほんの少し口角を上げたように見えたのは気のせいだろうか。


「心陽」

「ん?」

「どこか行こうか」

「え?」

「心陽もせっかく来たんだし、俺も電車乗ろうかな」

「…うん、わかった」