恋の雨音

そのまた次の日。

今日も雨が降っていた。

7時30分。


彼はいつもの場所にいた。


「雨音くん、おはよう」

「ん、おはよ」


昨日のことがあってか、しばらく雨音だけが響いた。

どれくらいそうしていただろう。

沈黙を破ったのは雨音くんだった。


「ねえ心陽」

「なに?」

「梅雨って好き?」

「んー…あんまり好きじゃないかな。雨降ると低気圧で頭痛くなるし、湿気で髪の毛ボサボサになるし」

「そっか」

「雨音くんは?」

「俺もあんま好きじゃない」

「どうして?」

「…いろいろ思い出すから、かな」


私は、彼の追憶にふけるその表情から目が離せなかった。