次の日。

いつもより10分早く家を出て、駅に向かった。

昨日と同じ場所に行ったけれど、彼はいなかった。



7時30分。昨日と同じ時間。

今日も雨か…と思いながら空を眺めていると


「心陽」

「雨音くん…」

「おはよ」

「おはよう」


彼は今日も私服で手ぶらだった。

私は迷いながらも、勇気をだして聞いてみることにした。


「あのさ、」

「ん?」

「学校は?」

「あー、俺学校行ってないんだよね」

「…そっか。じゃあなんで駅に?電車にも乗らないんだよね?」

「んー、なんでだろ」


彼はそれ以上何も言わなかった。

私はそれ以上聞いてはいけない気がして、今日もひとり電車に乗った。