恋の雨音

「ねえ、雨音くん」

「ん?」


「梅雨って好き?」


「好きだよ。だって、心陽に会えるから」


そう言ってこっちを見た雨音くんの目から涙がこぼれた。

それと同時に、私の目からも堪えきれなくなった涙が溢れ出した。


「心陽は?好き?梅雨」

「好きだよ。だって、雨音くんに会えるから」


一度溢れた涙はもう止められなくて、私の頬を濡らし続けた。

彼の後ろに見える時計が、もうすぐ19時30分になろうとしている。


「心陽、またね」


涙を流しながら笑った彼に笑顔を向けようとした瞬間、強い風が吹いて、思わず目を瞑った。

目を開けた時には、彼はもう、いなくなっていた。