恋の雨音

学校帰り、最寄り駅に着くと、彼はいつもと同じようにホームの椅子に腰掛けていた。

私も隣に座る。

約1ヶ月続けた私たちのルーティン。

これがなくなってしまうと思うと泣きそうになって、必死に堪えた。

今日は、これまでの楽しかったことの話をした。

梅雨の間だけのたった1ヶ月。

でも、人生で1番幸せな1ヶ月だったと思う。


7時25分。

いつもはここで帰る私だけど、今日は腰をあげることができなかった。

少しでも長く一緒にいたいと思ってしまった。

それは彼も同じなのか、私が帰らないことに何も言わなかった。


「俺、心陽に出会えて、好きになれて良かったって心から思ってるよ。もう、クラゲみたいに消えたいなんて思わない」

「私も、雨音くんと出会えてよかった。こんなに人を好きになれたの初めて」


なるべく明るく振る舞ったつもりだけど、声が震えてしまった。

でも、彼の声も震えていた。