君のスガタ

 女子委員長はめぐみにクラス全員に聞こえる音量で怒り口調で声を発する。

「だって……面白くなりそうだなって思ったから。結果的に拍手喝采で終わったからいいんじゃない?」

 めぐみは片手を腰にあて、笑っていた。

 女子委員長は言い返そうとするが、口をモゴモゴさせて、反論に困っていた。

 確かにお客様は結局、楽しそうにしてくれた。拍手もその結果に過ぎない。

「…それはそうだけど。でも、勝手に脚本変えないでよ」

「ごめん。私が間違ったばかりに…」

 私はクラス全員に謝った。

 私さえ間違えなければ、あんなアドリブにならなかったと思うし、私のせいだ、なにもかも。

 私は下に俯き、声を発したら、きよしが低い声で伝えてきた。

「それは違う。間違ったんじゃない。柚はきちんと役目を果たそうとした。それだけで十分じゃないの?」

 きよしはクラスメイト全員に向けて、片手にズボンのポケットを入れながら、何を考えているのか分からない目をしていた。

「そうだよね。柚ちゃんのせいじゃないし。逆にアドリブのおかげで舞台は盛り上がったし、一石二鳥だね。ねぇ、委員長」