君のスガタ

 私は先ほどの現状を伝えた。

 それでも、きよしは黙ったまま私を見つめる。

「じゃあ、僕が連れていかなければ話できた訳?」

 きよしは何故か怒ってた。

 私は怒るようなこともなにもしていないのに、なんで?

 なんで眉間にしわを寄せているの?

 私はそんなきよしを見て、キョトンとした。

「はあー、もういいわ」

「用事あるから来たんじゃないの? きよし、おーい」

 私はきよしが先に行ってしまって、なにがなんだか分からなくなった。

 もう、いいや。考えるのをやめた。まずは午後にある劇に集中しよう。

 そう思って、自分の教室に戻ろうと足を踏み出した。

 歩いて、教室に入って、自分の椅子に座った。教室には誰もいなくて、みんな天海祭回ってるんだろうな。

 バレー部は特に催し物など特にやらないので、今はやるべきなのは劇に専念することだ。

「うーん」

 私は自分の椅子に座って、台本を読んでいた。

誰もいない空間で一人だと、なんか変な気がする。

 いつもはめぐみやきよしとか誰かいたから教室に一人って意外にあまりなかった。

 私は机に突っ伏して、台本を一人で読んでいた。