めぐみは制服のポケットから手紙みたいなものを出してきた。

「手紙みたいなもの…」

 私はもらった手紙みたいなものを手にして、そのものを見つめた。

 なんだろう、なんか言いたいことあったのかな。

 開いてみると、そこには意外なことが書かれていた。

 俺、とんかつ好きだからと書かれていた。

 はあ? うん? なんで急に……

 そんなことのために書いたのか。

 何をしたいのか本当に分からない。

 さっきまでお互いの小指を絡ましていたのに、何も書かれてなかった。

 なんだったんだ、本当にあった出来事だよね。

 私は心の中で疑問を感じて、松永慶先輩の顔を思い浮かべる。

「柚!」

 めぐみは私の名前を呼んでいた。

「ごめん、何?」

 私はめぐみに聞き返した。

「いや……呼んだだけだよ。行こう、柚」

 めぐみは一瞬表情を曇らせてから、一回下を向いて、私に答えた。

「じゃあ、行こうよ」

 私はめぐみに言葉をかけた。

 店員に声をかけようとしたら、めぐみはもう払ったから大丈夫と言った。

「ありがとう」

 私はめぐみに感謝を述べた。

 店員はありがとうございましたと明るい声が店内中に響き渡る。