君のスガタ

 手招きして、おいでおいでと顔で言ってくる。私と松永慶先輩は立ち尽くしていた。

「へぇー、三年生と二年生か。あ、同じクラスの比佐(ひさ)ちゃんと亀が大好き亀本(かめもと)ちゃんとポニーテールをしている目藻(めも)ちゃんとお洒落好きな瀬古(せこ)ちゃんで端っこに座ってる影尾(かげお)ちゃんでしょ。真ん中にいるのは柚ちゃんの友達でしょ。当てる?」

 斗真先輩は座ってから、一人ずつ指をさしていた。

「当たってます」

 めぐみは先輩たち同様に黄色い歓声は出していた。

 人気者同士が集まったことでめぐみは目をキラキラしていた。

 先輩たちは斗真先輩と松永慶先輩が来て、急に態度を変えた。

 斗真先輩と松永先輩を見る目は、バレー部で見る真剣な目ではなく、推しを応援するかのように目を輝かしていた。

 私と松永慶先輩はもう一つのテーブルをくっつけて、座った。

「慶も話してよ。俺だけ話してもつまらないでしょ」

「話すことないから」

 松永慶先輩は座ったままどこかを見つめていた。

「慶~~、もうそんなこと言ったらつまらないじゃん」