君のスガタ

「柚」

「なんですか。名前呼んでおいて」

 私はため息をついた後、足を止めて聞いた。

「………っ…いや…もう着いたぞ」

 松永慶先輩はそう言ったので、前を向くと、そこにはいつものファミレスがあった。

 学校から徒歩十分くらいにファミレスがある。

 そこには学生だらけだ。

 時折、家族連れやカップルがいた。

「いらっしゃいませ~」

 入ると、店員が大きい声で出迎えてくれた。

「よし。おっ、柚ちゃん。ここだね。あっ、いた」

 斗真先輩は入った瞬間に、部活仲間達をすぐ見つけた。

「あ、いたいた」

 斗真先輩はにこやかに笑顔を浮かべていた。

 先輩たちはポテトを食べていたのか口元に加えて、首だけ動かして目を丸くして見た。

「…あれ? 違うの? じゃあ、違う所かな」

 斗真先輩は固まっていた先輩たちを見て、ファミレスの中を左右見渡していた。

「違わなくありません! ここで大正解です」

 目藻先輩は顔を赤くして、早口で言い、椅子に置いていた鞄をよけて、ここへどうぞと鼻息を荒くして言った。

「ありがとう。ほら、慶と柚ちゃんも」