「俺も一応教師なのできちんとしてます。ほら」

 刈谷先生はいつもよりビシッとスーツを着て、ドヤ顔で言ってくる。

まぁ、今日入学式だし、きちんとしたんだろうと思っていると、 男子クラスメイトに同じことを突っ込まれていた。

 無事、入学式も終わり、ピカピカの新入生を見ると、私も先輩になったのだと実感する。

 今日は午前で終わり、部活動もないので帰ろうと歩いていると、今日は全部活ないが、テニスをしている男子がいた。

 今日も部活やっている人がいるなんて。熱心だな。私はテニスをしている男子をチラッと見て、立ち止まる。

 ただ、壁打ちをしているだけだったけど、目が逸らせないほどの集中ぶりだった。

 こんな風に私も練習しているけど、うまくできない。

 私は羨ましく、テニスをしている男子をただ立ち止まり見ていた。

 テニスをしている男子が私の方を向きそうだったので私は前を見て、下に俯き、早足で歩いた。

テニスをしている男子は180㎝以上あって、ボサボサの髪の毛だけど何もかもできそうな感じがした。

「はぁ、いいな」