めぐみは私に心配してくれているのか、目尻を下げて言っていた。

「…そんな私たいしたことないから。言いたいことあったら言ってるから大丈夫」

 私は口角を上げて、めぐみに言う。

「……そう? 柚は柚なんだからね。ってか、またきよしの野郎。無視してきたら、なんか言ってやろうね」

 めぐみはどこにいるか分からない相手に睨みつけて言った。

「……うん」

 私は苦笑いをして返事をした。

「それより、松永慶先輩とはどうなの?」

 めぐみはニヤニヤした表情でどうどうと私の腕を突っついてきて、私に聞いてきた。

「……こないだ、初めて会ったばかりだし、どんな人なんて分かんないし」

 私は少し微笑んでめぐみに答える。

「……なんか親しげだった感じしたから。でも…いやなんでもない」

 めぐみはまたニヤニヤした表情になり、弁当箱のおかずに目をやり、箸を持ち、コロッケを一口で食べていた。

「いや、言ってよ。めぐみ」

 私はめぐみの袖を掴んで、聞いた。

「……ふふふ」

 そう言ってからめぐみはバクバクとおかずを口にしていた。

「……もう」

 私はめぐみの背中を叩いて、言う。