君のスガタ

 松永先輩は二口飲んだら、小さいテーブルに置いて、私のことをほめた。

「今日、見に来てくれたんですか」

 私は目を丸くした。

 まさか、見に来てくれるとは思わなかった。

 本当にいたの。

「うん、そう」

「私、来てくださいなんて言ってないですよね。どこでやるかなんてわからないはずじゃ。あ、めぐみですか」

 私は一口飲んでから、声を発して顔を上げて言う。

「そう。たまたま会って今日の試合場所と時間を言い放っていたから。俺は来てもいいのかなと思って来てみたんだ。けど、来てよかった。柚が初めて試合を出れた瞬間を見れて俺は幸せ」

 松永先輩はそう言ってから微笑み、私を見る。頑張った甲斐があったねと言われている気がして、素直に嬉しかった。

「私の試合どうでした?」

 私は恐る恐る松永先輩に聞いた。

 今日の試合はバレー部のみんなと先生たちのおかげで試合に出れた。

 けど、私は自信がなかった。

 レシーブやパスは練習通り出来て、先輩達にもいい言葉をもらえた。

 それでも、松永先輩からの言葉が欲しかった。