君のスガタ

 まばたきを繰り返して、携帯を見ると、めぐみからラインがきていた。

「なに? もしかして、飲めないことが恥ずかしいの」

 小指を立てて飲んだ後、真顔で聞いてきた。

「……いや…ち、違いますから…」

 めぐみからきた返事をしないまま、松永先輩の目を逸らした。

「あはは。可愛い」

 松永先輩は私の方を両手に顎をつけて、可愛いって言い放った。

「…なっ…そんなこと…あると思いますけど。飲みます」

 私はコップを勢いよく、口元に近づけて飲もうとした。

「…ほら、やめなよ。急に飲むの」

 松永先輩は私のコップを奪って、立ち上がった。

そこで、シュガーなどが置かれている小さいテーブルに行き、シュガー一本入れて、私の所へ戻ってきた。

「あっ…ありがとうございます」

 私はお礼を言って、自分のコップを持つ。

 わざわざ立ち上がり、シュガーを入れてくれた。

「これなら飲める?」

 松永先輩は自分のコップを持ち直して、コーヒーを飲んだ。

 きゃははと笑い声が響いたので、声がする方へ見ると、楽しそうに女子高生が話していた。

「…柚は今日、すごかったね」