君のスガタ

 店員さんはかしこまりました。コーヒー2つでよろしいですねと松永先輩に聞き返す。

 ザワザワとした店内に部活帰りであろう男女ペア二人組と外を眺めて、本を読んでいる人がまばらといた。

 時間はお昼のピークを終えたからかそんなに人はいなかった。

「はい。コーヒー二つで」

「少々お待ちください。会計は現金でよろしいでしょうか」

 店員は会計をして優しい口調でコーヒー二つ分入れてから、お待たせしましたと笑顔で応対して、トレーを渡された。

「ここでいいよね」

 松永先輩は窓際で小さいテーブルにトレイに置かれていたコーヒー二人分を真ん中に松永先輩は置いてくれた。

「柚。ブラックで飲めるの?」

 コップを右手で持ち、口元にコップが触れてコーヒーを体内に入れた。

「ああ……少しは飲める」

 コップを両手で持ち。うんと頷いて言葉にする。

 嘘をついたのがすぐバレそうだと思ったので、すぐ訂正をした。

 口内に入れたコーヒーが苦すぎて、顔に出るので松永先輩には見透かされる。

「……やっぱりあんま、飲めない…です」

 自分の鞄を椅子の傍に置いていたのを確認してから、再度鞄の中にある携帯を取った。