君のスガタ

「チェコ…私、松永先輩から何を聞きたいんだろう。別に前に会ったことはあるなんて言われたらさ、聞きたくなる」

 私はチェコの頭を撫でて、ぎゅっと抱きよせた。

「はぁ…」

 私はため息を吐き、チェコの頭を顔に寄せて胸の中でチェコの温もりを感じた。

「なにしてんの?」

 母はリビングから出てきて、苦笑いを浮かべて私に声を発した。

「…いや…なんでもない」

 急ぎ足で私は自分の部屋へ入った。

 鞄をベットに放り投げて、バレーのことや松永先輩を考える。

 目を閉じて思うことはただバレーや松永先輩の思いが混じり合っていた。

 二つの思いを一つひとつのピースを掛け合わせるように考えをまとめた。

 まずは、バレーの試合のことだけ考えることにした。

松永先輩のことは終わってから考えよう。

 バレー大会当日

「今日は試合の晴れ日和だな」

 柳暗先生は両手を上にあげてうーんと身体を伸ばしていた。

「よし。最初の試合相手はみんなが知ってる通り、最強チームだ」

 バレー部のメンバーが柳暗先生の周りを囲って、話をしていた。

 真剣にバレー部のメンバーは返事をしてから、すぐ始まる試合に向けて練習を重ねた。