親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~

「……異世界人が、どうしてこの世界にいるのかは分かりませんが、そう考えるのがいいかと……ねぇ、ラウル。ラウルの幼なじみだという弦木さんって、どんな子なの?」

「明るくて、元気で……でも、あまり人を頼らないような子だよ。何でも1人で抱え込んで、ずっと笑ってて……まぁ、そんな子かな」

「……弦木黒斗って子の話で盛り上がっているところ、悪いんだけどさ。話、続けてもいい?」

「……ごめんなさい。どうぞ」

ルーチェが謝ると、ルシフェルさんは話を始めた。

「破壊神の復活を目指す中、俺はまた弦木黒斗と会って……『仲間が欲しいだろ』って、また呪具を渡された。今度は、剣型の呪具だったね。ビオラくんが持っていたやつね」

「……あの呪具も、弦木黒斗くんって子に渡されたものなのか……」

「……で、その時にルカのことを聞いて」

「僕のこと?」

「うん。ルカが大魔王だってこと、ルカがリンドウで家族で暮らしていること、他にもいろいろと……ね……まぁ、経緯についてはこんな感じかな。で、今から手に入れた情報を言うんだけど……その前に、拾ったものを見せようと思う」

そう言って、ルシフェルさんは僕を見る。ルシフェルさんと目が合って、僕は小首を傾げた。

「多分、ラウルなら読めるかもしれない」