親愛なる魔王の君へ＃2～召喚されたので、魔王の側近になります！～

……ルシフェルさんが、前回の件の首謀者……許されないことをしたって、ルシフェルさん言っていたけど、あの発言って、そういうことか……。

「……約1年前に俺が起こした件が、また起こりだしたから、ルカから協力してくれって言われた。以上」

「簡潔にまとめすぎでしょ」

「じゃあ、ルカが説明すりゃいいじゃん。こうしか説明できないんだから」

「……分かったよ。でも、ルシ兄から説明が欲しい場所もあるからね」

「分かってるって」

そんな会話をルカさんとルシフェルさんはした後、ルカさんは僕の方を見た。

「ラウルくんは、約1年前に起きた出来事を知ってる？」

「……ルーチェから、簡単にですけど聞きました。確か、呪いによる影響でモンスターが暴走することがあったんでしたっけ？」

「そう。前回の件はルシ兄が騒ぎを起こしてて、ルシ兄を捕まえたことで事件は終息した……かのように見えた。それが、また最近になって起こり始めてね。調べる限り、今回はルシ兄が騒ぎを起こしてるわけじゃないんだよね。ルシ兄は前回の首謀者だから、もしかしたらルシ兄なら何か知ってるかもしれないって思って、久しぶりにルシ兄のところに行ったらさ……」

そこまで言って、ルカさんはルシフェルさんの方を見る。一息置いてから、ルカさんは話を続けた。