親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~

クラルさんが首を傾げると、ルシフェルさんは頷く。

「……ルシ兄、その前に説明でしょ。ここに、ルシ兄がいる理由を知らない人がいるんだから」

「え、俺がすんの?協力してくれって言ってきたのは、ルカなのに?……さては、説明するのが嫌なんだな?」

「……」

ルシフェルさんがジトっとした目でルカさんを見ると、ルカさんはルシフェルさんから顔を逸らした。図星らしい。

「はぁ……お前、昔っから説明とかは全部俺に押し付けていたよね」

「だって、そういうのはルシ兄得意じゃん……」

「……俺よりも賢いやつが何言ってんだか……」

呆れたような顔をしたルシフェルさんは、ふぅ、と息を吐き出す。

「……えっと、まずは……今回は、完全に君たちの協力者だ。別に、信じてくれなんて言わないけどね」

……今回は……?どういうことだろう……。

ルシフェルさんの言い方が引っかかって、心の中で首を傾げていると、ルーチェが僕に近づいてきた。

「実は――」

ルーチェは、僕の耳元で、ルシフェルさんのことを教えてくれる。

前にルーチェが話してくれた、最近起こり始めたモンスターが暴走する件の、前回の首謀者であること、破壊神と呼ばれるモンスターの復活を試みていたことを。