親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~

「……改めて自己紹介しようかな」

ルーチェが、僕の目の前に立つ。

「魔法薬の研究者をする傍ら、魔王クラル様の側近を務めております、ルーチェ・クロウディアと申します」

そう言って、ルーチェはにこりと笑った。

……ルーチェが、魔王の……側近!?……いや、研究者もすごいんだけどさ、魔王の側近の方がインパクトが強い……。

「……最後は僕だな。ギルバート・アンダーソン。魔王だ」

……ギルバートさんも、魔王かぁ……魔王?え、ギルバートさんが?

「ラウルに、もう1つ良いこと教えてあげる。クラル様と父様、ルカさんは世界平和を望んでるんだよ」

「……そうなんだ……」

「……ラウル。クラル様たちが、世界平和をめざしてるのに魔王になった理由が分かる?」

「え?えっと……」

突然のルーチェからの質問に戸惑っていると、クラルさんは「魔王から世界を守るためだよ」と答える。

「僕ら以外の魔王は、世界征服を企んでいる。魔王になれば、いち早く魔王の計画を知れるからね」

「そう、なんですね……」

「そんな世界平和を目指す君たちに、良い情報を仕入れてきたよ」

ルシフェルさんの言葉に、ルカさんは「さすがだなぁ……」と呟いた。

「……良い情報?」