親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~

ルーチェとティムの後に続いて、僕も部屋に入った。

部屋にはルーチェとティムの他にアーサーとギルバートさん、金髪に赤い瞳の女性、ふわふわとした金髪の男性、青みがかった黒髪に緑の瞳の男性に、青みがかった黒髪に赤い瞳の男性がいた。

「君が、異世界から来たっていう……初めまして。僕は、クラル・ディスペアです」

青みがかった黒髪に赤い目の男性――クラルさんが、ニコリと笑う。

そして、皆は自己紹介をしてくれた。

青みがかった黒髪に緑の瞳のクロード・ディスペアさん、クロードさんの妻である金髪に赤い瞳のノア・ディスペアさん、クロードさんとノアさんの友だちのふわふわとした金髪のレオン・アレクサンダーさん。

ティムとアーサーは、現在レオンさんの家で暮らしており、ルーチェはディスペア家で育ったそうだ。

僕も自己紹介をして、簡単にここに来た経緯を話す。

「……ラウル、これ。ラウルのだから、渡しておくね」

そう言ってルーチェが差し出したのは、僕がさっき僕が拾おうとしていた耳飾り。

「いや、これ……誰かの落し物で拾おうと思った物で、僕のじゃ……」

「ううん。ラウルのだよ……いや、正確にはラウルの物になった」