ルーチェの準備が終わったあと、僕はルーチェの後をついて部屋を出る。
廊下に出て、僕はルーチェの家の広さにびっくりする。僕は、どこかの城にでもいるんだろうか。本当に、ここはルーチェの家なんだろうか。
「……びっくりだよね。でも、本当にルーチェの家なんだよ」
急に僕の隣を歩くティムが話しかけてくる。それに僕が驚くと、ティムは「口に出ていたよ」と笑った。
それに恥ずかしく思いながら廊下を歩いていると、目指していた部屋に着いたらしく、ルーチェは「着いたよ」と立ち止まる。
「これから、ラウルは僕の家族と会うんだけど……僕らが転生者であることを知っている。だから、正直に言っていい」
「……そうなんだ……って、僕ら?」
ルーチェの言葉に違和感を感じて首を傾げると、ティムは「色々あって、ルーチェ含めた僕とアーサーも転生者であること……話したんだよね」と答えてくれた。
何があったのか気になったけど、踏み込まない方が良い気がして、僕は「そうだったんだ」とだけ返す。
「じゃあ、行こうか」
ルーチェはそう言うと、ノックをした。そして、部屋の中にいる人たちに一言声をかけ、ルーチェはドアを開けると中に入る。



