あれから1週間後の朝。いつもの時間に目が覚めた僕は、ルーチェからもらった服に腕を透す。
ゲームとかでしか見ない服のデザインに、僕はコスプレをしている気分になる。
だけど、この服がこの世界の服装。郷に入っては郷に従え、だ。
部屋を出て、いつものようにリビングへと向かった。
リビングと併設している、カウンターキッチンでは、いつものようにギルバートさんが料理をしている。
もう見慣れた景色だ。
「ギルバートさん、おはよう」
「おう。おはよう、ラウル」
僕が挨拶をすれば、ギルバートさんも返してくれる。
「ラウル、もうご飯が出来るから座って待ってろ」
ギルバートさんの言葉に、僕は一言返すと定位置に座った。そして、約1週間前の出来事を思い出す。
庭に現れたモンスターを倒して、アレンさんが帰っていった後、ルーチェは僕がこの世界に来る前に起こっていたことを簡単に話してくれた。
どうやら、今周りで起こっている出来事は、前にも起こっていたものらしい。首謀者を捕まえて、この件は一度落ち着いていたという。
僕がこの世界に来る少し前から、また再び起こり始めた……らしい。
でも、前回と今回の出来事を起こした人物は、ルーチェ曰く違うみたいだ。



