親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~

「アーサーにティム。多分だけど、あのモンスター……呪具の影響を受けてるかもしれない」

「……呪具の影響、だって!?えっ、でも……その件って……」

「うん。最近、またモンスターが暴走する件が増えてきてて……前の件と同じに見えるけど、前回と違うのが……このモンスターの暴走に、ルシフェルさんが関わってないってこと」

「そうなんだ!?」

「お前ら!話は後だ!このモンスターを何とかするぞ!」

ルーチェとティムが話をしていると、モンスターと向き合って剣を構えているギルバートさんがそう言った。

「ごめんなさい。呪具の影響となれば……ティム、任せたよ」

ルーチェがティムを見つめながら言うと、ティムはルーチェと目を合わせてから頷く。そして、ティムはカバンから1本の白い笛を取り出した。

そして、ティムは持っていた笛を吹き始める。綺麗な音色が、僕の耳に入り込んできた。

ティムが笛を吹き始めると、誰かに飛び掛ろうと体勢を低くしていたモンスターは、その構えを解いた。

「――っ!」

その隙を狙って、ルーチェが呪文を唱える。モンスターの足元に魔法円が現れて、光の鎖がモンスターに巻き付いた。さっきと同じ魔法のようだ。