親愛なる魔王の君へ＃2～召喚されたので、魔王の側近になります！～

「僕とアーサーで、ルーチェに会いに行ったの。その時、用事で出かけようと家を出るルーチェと会って……ルーチェからラウルのことを聞いてね。僕ら2人で会いに行こうって話になった時、ルーチェからそれを渡すように言われたんだよね」

ティムさん……いや、ティムの説明を聞きながら紙袋を受け取ると、僕は紙袋の中を覗いてみる。

紙袋には、折りたたまれた服が入っていた。

「それと、ルーチェからの伝言も預かっているよ。『ラウル用に新しい服を作ってもらった。これからは、この服を着て』だって」

「新しい服……そうか。今の服装だと、この世界じゃ浮くのか……」

紙袋に入っていた服と僕が今着ている制服、そしてアーサーとティムの服装を見て呟く。

その呟きを拾ったティムは、無言で頷いた。

「2人とも、ありがとう。2人が良かったでいいんだけど、もっと話さない……？僕、今一人だし暇なんだよね」

僕が問いかけると、2人は同時に「いいよ」と頷く。僕が2人を家に招き入れようとした時、茂みから大型のモンスターが姿を現した。

ギルバートさんは、この辺には大型のモンスターはいないと言っていた。なのに、何でここに大型のモンスターがいる？

「モンスターか！ティム、どうする！？」