親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~

そして、ルーチェは僕の目の前に立ってモンスター?と向き合うと杖を構えた。

「……ラウル、そこから動かないで」

「分かった……ルーチェ、あのさ……あれって、モンスター……?」

「そうだよ。しかも、滅多にお目にかかれないレアなモンスターだ」

簡潔に、ルーチェが説明をしてくれる。ルーチェが説明を終えると同時に、ギルバートさんが動いた。

ギルバートさんは、地面を強く蹴って跳び上がると、モンスターに向かって剣を振り下ろす。

モンスターはそれを避けてギルバートさんに攻撃をするけど、ギルバートさんはそれを避けた。

モンスターは、次々とギルバートさんに攻撃を入れて、ギルバートさんはそれを軽やかに避けていく……けど、ギルバートさんが攻撃を入れる隙がないくらい、モンスターからの攻撃は激しい。

近くにいるルーチェは、何かを呟いている。何かの魔法の詠唱だろうか。

「――、―――、――――」

「――封!」

ルーチェの掛け声とともに、モンスターの足元に魔法円が現れて、モンスターは急に動きを止める。

「ルーチェ、ナイスだ!」

モンスターと距離を詰めて、ギルバートさんは剣を薙ぎ払った。次の瞬間、モンスターは空気に溶け込むように消えていく。