けいたくんの記憶がなくなっても、まどかちゃんの記憶は残っていました。




まどかちゃんは、けいたくんがいなくなってから毎日泣きました。





「けいたくん。どこにいるの?」



お屋敷には本当の吸血鬼が住んでいました。



「まどかよ・・・。どうしてそんなに泣くんだい?どうして毎日外をながめて悲しい顔をするんだい?」



吸血鬼はまどかちゃんにそう問いかけました。



まどかちゃんは涙いっぱいの瞳で吸血鬼に言いました。




「けいたくんに会いたい・・・。ここから出してよ。」



幼いながらもそれははっきり意思の分かる言葉でした。




「うーむ・・・、俺の大切なまどかよ・・。せっかくつかまえたのに。だがしょうがない・・・。俺は笑顔のまどかが好きなんだ・・」



そう言って吸血鬼はまどかをお屋敷から出してあげました。