「あら、今日もマリちゃんからもらったの?」 「うん」 アフリカンマリーゴールドの絵を見せると、ふふ、と微笑んだカスミさんは絵を受け取って病室の隅に飾ってくれた。 「素敵ね」 カスミさんの言葉に大きく頷いてみせる。オレンジと黄色が華やかで、心を明るくしてくれるような気がする。 「じゃあ点滴するわね」 「はぁい」 カスミさんが針を持ってこちらにやってくる。 この痛みには、もう。 とっくの前に慣れてしまった。