どんな君でも




転入して1ヶ月。

私はあかりと行動をよく一緒にするようになった。

あかりは五十嵐くんと白川くんと仲が良くて、4人で移動教室したり、お昼を食べたりした。

中間テストが近づいてきてるので、どこかいい勉強場所がないかと探していると、あかりが図書室がいいとおすすめしてくれたので、今日は図書館にいいく!

図書室に入ると、当たり前だけど、すごく静か。

勉強する場所を探していると、見覚えのある黒髪が視界に入る。



「うーん…」



五十嵐くんだ。参考書を片手に、唸っている。



「五十嵐くん?どうしたの?そんなに唸って。」



はっとしたように顔を上げる五十嵐くん。




「あ、あぁ、日村さん…ちょっとわかんないとこがあって…考えてた。」

「そうなんだ。ちょっと見せて?」

「え、うん。」

「あーこれはね。こうすやってやるんだよ。」



持っていたノートに解法を書いていく。

昔から勉強は得意だった。得意だったと言うか、それしかできないんだけどね。



「そうなんだ!すごいね、日村さん。ありがとう!」

「いえいえ。それにしても、五十嵐くんでもわからない問題があるんだ。」

「え?」

「だって、いっつも小テストとか満点じゃん。」



ここ1ヶ月五十嵐くんがテストで満点以外を取っているとこも、先生に指名されてつまずいてるとこも見たことがなかった。

なんなら群がる女子達に勉強を教えたりしていた。



「いやいや…俺勉強苦手だし…」

「そうなんだ!ちょっと意外かも、?」

「失望した?」

「え?」

「こんな問題も解けない俺に失望した?」



五十嵐くがは悲しそうな諦めたような顔で聞いてくる。

失望?なんでだろう。ここ1ヶ月なんでも華麗にこなしていた五十嵐くんは完璧そのものだった。周りの子達もそう言っていた。

完璧だと思っていた五十嵐くんは勉強が不得意だった。

でも、勝手に五十嵐くんを完璧だと思い込んでいたのは私の方だし、それが違かったからって失望しました。なんていうのは違う気がする。



「失望なんかしないよ。」